LUK賊は回避賊たるべし(6)

※この記事は,ビッグバン以前に書かれた記事です.ビッグバン後に通用する場合は十分ご注意ください※

「ひびきの回避率の式」をみつけてから,当初の予定が大幅に狂ってしまいました.

この記事は,いったいどこへ向かおうとしているのでしょうか.書いてる本人も不安を覚えつつも話は進みます.

さて.

今回は,実回避率を正解に算出するには,どれくらいの回数の接触実験が必要なのか,ということを調べてみます.統計処理をかじったことのある人には,

あの式ですよ

と言うだけで,たった六文字で完結してしまう話ですが,中高生も多いメイプルストーリーですから理論と数式で説明するよりも,具体的にシミュレーションを通して説明するのが分かりやすいと思います.

「あの式」を知ってる人は,どうぞ読み飛ばして下さい.あなたの知らないことは何一つでてきません.

で.

「ひびきの実回避率」が正しいものとして,実回避率が50%になる条件で100回の接触実験を行ったとします.当然,MISSの回数が50回という結果になることが期待されます.まあ,現実の問題としてぴったり50にはならないでしょうが,50%に近い結果になるはずです.

本当にそうでしょうか?

ぴったり50回という結果はあり得ないのでしょうか?50回になる可能性が一番高いはずじゃないですか?

50回に近い結果とはどの範囲までなのでしょうか?48回という結果は,50回に近いですか,遠いですか?43回ならどうですか?

その疑問に答える為に,簡単なプログラムを書いて実験してみました.

  1. 0~1の範囲で乱数を発生させて,実回避率の50%に相当する0.5よりも小さい数がでたら,MISS(回避)とする.
  2. これを100回繰り返して,全部で何回MISSがあったかを数えて実際に回避した回避率を計算する.

たったこれだけです.入門プログラミング教室の初日の演習問題レベルでしょうかね.1番の処理は,ゲームのプログラムがしている接触判定と同じと考えられます.2番の処理は,メモを片手に接触実験をしているプレイヤーがしていることと,(本質的に)同じことです.で,Aさんが100回の接触実験をしたとして,プログラムを実行させます.

結果発表!MISSは46回でした.

実際のところ,これだけではほとんど何も言えません.実際に100回の接触実験をするには,データ整理を含めて数分の時間と,そこそこの回復薬を消費してしまいますが,ありがたいことに,コンピュータのプログラムですると,一瞬で終わります(プログラムを書く時間は除く).そこで,今度はBさんが100回の接触実験をしたとして,もう一回プログラムを実行させます.

今度はMISSが64回でした.

だから何?って感じですよね.そこで,100,000人の人が協力して,それぞれ100回の接触実験をやったものとして,プログラムを100,000回実行させてみます.さすがにこの量だと一瞬では終わりません.それでも,たいした時間はかかりません.冷蔵庫に行って牛乳飲んでコップ洗って戻ると終わってますので,たかがしれた時間です.

その結果を表にまとめました.が,先に表の見方を説明します.

MISSの回数 人数(人) 割合(%)  
49~51 15,891 15.9 ****************

これは,100回の接触実験の結果,「MISSの回数が49回以上51回未満」だった人の人数が15,891人であり,その数は全体の15.9%だということを示しています.一番右の*は簡易グラフで,1%につき*を一つつけました.

では,100,000人の協力で得られた結果を見てみましょう.

MISSの回数 人数(人) 割合(%)  
25未満 0 0  
25~27 0 0  
27~29 1 0.1未満  
29~31 3 0.1未満  
31~33 13 0.1未満  
33~35 58 0.1未満  
35~37 240 0.2  
37~39 708 0.7 *
39~41 1,848 1.8 **
41~43 3,900 3.9 ****
43~45 6,911 6.9 *******
45~47 10,687 10.7 ***********
47~49 13,827 13.2 *************
49~51 15,891 15.9 ****************
51~53 15,202 15.2 ***************
53~55 12,180 12.2 ************
55~57 11,908 11.9 ************
57~59 2,218 2.2 **
59~61 2,577 2.6 ***
61~63 1,233 1.2 *
63~65 414 0.4  
65~67 133 0.1  
67~69 38 0.1未満  
69~71 10 0.1未満  
71~73 0 0  
73~75 0 0  
75以上 0 0  

まあ,皆さん予想した通りだと思いますが,MISSの回数が50回前後=実回避率50%という結果になった人が,全体の中で一番多いという結果になりました.

この結果についての分析は,次回以降にします.


回避賊シリーズ

  1. 回避率 (番外編) 2010年1月23日
  2. LUK賊は回避賊たるべし(1) 2010年2月19日 
  3. LUK賊は回避賊たるべし(1.5) 2010年2月22日 
  4. LUK賊は回避賊たるべし(2) 2010年2月25日 
  5. LUK賊は回避賊たるべし(3) 2010年2月25日
  6. LUK賊は回避賊たるべし(4) 2010年3月3日 
  7. LUK賊は回避賊たるべし(4.1) 2010年3月5日 
  8. LUK賊は回避賊たるべし(5) 2010年3月6日 
  9. LUK賊は回避賊たるべし(6) 2010年3月10日
  10. LUK賊は回避賊たるべし(7) 2010年3月10日
  11. LUK賊は回避賊たるべし(8) 2010年10月15日

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