囮書・捨て書理論についての続き

※この記事は,ジャスティスド以前に書かれた記事です.ジャスティス後に通用する場合は十分ご注意ください※

確率とか統計とか学校でも教わることになっているようですが,「何が本質なのか」までは教えてくれません.次郎も学校では教わりませんでした.大人になって自分で勉強して身につけたようなもんです.これを実践経験の乏しい若者に教えろというのも無理があるでしょうね.学校という狭い箱の中では,特に難しいですね.

なんでこんなにも難しいのかは次郎もよく分かっていないのですが,次の引用にヒントがあるのかもしれませんね.

データ解析は,必然的に「統計」といわれる分野の一部を含む.この灰色の領域は確かに数学の一分野でも科学の分野でもない

W.H.Press, etal. 1988, Numerical Recipes (Cambridge University Press)  Chapter 13.

※強調は次郎がつけました

NumericalRecipes

ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピ

あ,これは統計の方の話ですがね.

「数学でも科学でもない」とバッサリ斬られると,衝撃を受ける人も大勢いらっしゃいますねぇ.次郎の中の人もその一人でしたけど.どうも,数学者でも科学者でもない人の方が,より大きい衝撃を受けたようですが.

確率も統計も,ものすごく強力で便利な道具なんですけど,万能薬でも魔法でも化学調味料でもない.「本質を見抜いて確信に迫る能力」が欠如してる人が,自分を立派に見せるためにそういう「道具」で武装したりするですよ.確率や統計が嘘っぽい印象を持たれるのは,そういう人たちがいるからなんですよねぇ.

”議論に勝つことでは人に何かを伝えることは出来ないのです”

天才 柳沢教授の生活 第115話 そのことを伝えるために

天才 柳沢教授の生活(13) (モーニングKC (1209))

天才 柳沢教授の生活(13) (モーニングKC (1209))

まあ,そういう人たちは自覚症状が無いのでね.もちろん,次郎の中の人も,実はそんな人たちの仲間になっちゃってるのに気がついていないだけかもしれませんが><

んで.

囮書理論について反論するには,数学的見地からのアプローチと実装的見地からのアプローチがあります.数学的見地からのアプローチは前回やりましたので,今回は実装的見地からアプローチしてみたいと思います.

前回の数学的アプローチで不十分な人は,本でも買って自分で勉強して下さい.どうしても納得できない場合は納得しなくても良いと思います.囮書理論を信じたって構わないと思います.泣いて後悔するような事にはならないでしょうから.たぶん.

 

◆実装的見地からのアプローチ◆

 

というわけで,実装的見地からのアプローチです.

「囮書理論を信じたって構わない」と言いながらも話を続ける理由は,囮書理論を徹底的にぶっ潰そうと考えてるわけじゃなくて,物の考え方をご紹介するためでがんす.

さて.

確率論的なアプローチだけでは不十分なんですわ.

というのは,メイプルストーリーはコンピュータゲームですよね?確率過程も全てプログラムが支配しています.そんな現象が数学の確率論に従うのかどうか,そこはちゃんと考えなければなりません.

  1. そもそも確率過程を踏んでるとは限らない.
  2. プログラムは決定論的過程であるため,本質的に確率論的過程を再現することはできない.

この二つに分けて考えてみましょう.

先にオチを言っときますけど,何をどう考えたって囮書理論が正しいという結果は出てきません.実装上の問題を無視して数学的な話だけに始終して囮書理論を批評するのは,不十分だってだけの話です.

 

◇メイプルストーリーは確率過程を踏んでいるか

 

これは,ぶっちゃけて言うと,

 

イカサマ

 

してんじゃね?ってことです.

イカサマというと聞こえが悪いのですが,確率なんて実装次第で如何様にでもいじることが可能なんですね.

  1. 特定の時間にはドロップ率が二倍になる,とか
  2. 特定のアイテムを使えばドロップ率が三倍になる,とか
  3. 特定の性向が上がると書の成功率が上がる,とか

そういう実例をみなさんご存知のわけです.確率いじるなんて簡単な話で,それをイカサマと言うのはちょっとフェアじゃありません.

  1. 無課金の人は絶対に七連できない,とか
  2. 一定以上課金していると成功率が上がる,とか

だったらイカサマみたいに思えるかもしれませんが,それだって微妙です.特定の課金アイテムを使えば失敗してもUGが減らないってのも,イカサマみたいなもんですけど,誰も文句言いませんよね?
次郎の中の人はファムには反対しています.装備強化の戦略性が乏しくなって面白みが減るからです.今の装備強化は面白みがなく,金を吸い取るスポンジみたいなものです.

ガシャだって,

  1. 毎週水曜日はビクトリアアイランドの日
  2. 3のつく日は奇数チャンネルでレア品が出易い

とか,そういう実装がされている可能性は否定できません.単に否定する材料がないという話ではなく,メイプルストーリーというゲームシステム全体を見た時に,そういう実装は

 

凄くありがち

 

です.もちろん,あるという証拠はないです.でもそんな実装するのは実に簡単なんです(多少手間はかかりますけど).

凄くありがちとは言いますが,実際にそういう調整がされているだなんて,次郎は思っちゃいません.誰かに「そういう調整がされている」と言われても,

へーそーなんだ(棒読み)

くらいにしか思いません.やっぱり,基本的にそういうつまらない修正はないだろうと考えるのがデフォですからね.

そういう調整がされている(またはいない)ってことを前提として議論を展開するのであれば,

ちゃんと白黒つけなさいよ

ってことです.白黒つけるには,根倶損に仕様公開の訴訟を起こすなり,データ集めて検証するなりしてもらわないと.まあ,どっちも現実味は無いですけどね.

MapleStory Wikiさんでは,都市伝説として以下の解説があります.

概ね言ってることには同意しますが,根倶損の実装を舐めてませんか?って思います.

「確率は毎回リセットされます」って,それ誰が言ったの??

何度も言いますが,次郎も確率は毎回リセットされると思ってますよ?特に他に情報がなければそう思うのが筋ですから.でも,そうだと言い切るのは簡単なことじゃないです.

他の部分でどんだけ整然と論理展開をしても,結局は

「確率は毎回リセットされるはず

という

仮説

 

に全てのっかってるわけですよ.妥当な仮説ですよ.でも,正確だという保証はありません.根倶村がちょいと調整入れるだけでニキビより簡単に潰れる仮説です.

この微妙なニュアンを正確にお伝えしたいのでクドクドと話を続けますが,

  1. 確率は毎回リセットされるなければならない,とか
  2. 確率は毎回リセットされるべきである,とか
  3. 実装上毎回リセットしないことは不可能だ,とか
  4. 毎回リセットしないならユーザーに告知すべきだ,とか

そういう制約は一切ないのです.妥当だけど正確だという保証のない仮説だってのは,そういうことです.

例えば,次郎の中の人が以前住んでた街では銭湯がたくさんありました.で,定休日が同じなの.例えば水曜日.これは組合でそう決まってるみたい.だから,行ったこともない銭湯でも,たぶん水曜日が定休日だろうなとは思うわけですよ.これが妥当だけど保証のない仮説.だって,組合に入ってなければそんなの関係ないから.木曜日が休みでも良いし,定休なしでも構わないわけ.実際にそういう銭湯ありましたからね.

次郎がこの問題に強くこだわっているのは,スノさんのレポートを見たからです.スノさんは,オススメアバターの獲得方法として,誰かが獲得してからきっちり15分後にオススメアバターのボタンをクリックするとゲットできると書いています(該当記事:ver2.0 雪猫アップデート).

これが正しいとすれば,オススメアバターに当たるかどうかは確率の問題じゃないってことです.他に何も情報がなければ「0.1%くらいの確率で当たるのかな?」と思うところですが,スノさんの記事はそれを真っ向から否定しています.実際どうなのかは次郎には分かりませんが,スノさんはこういう件についてデタラメな情報を流す人ではないので,とりあえず信用しております.

それに,スノさん個人の信用の問題以前に,オススメアバターの当たりがランダムではなく15分毎に出るという仕様そのものに

 

何の不条理も

 

存在しない

 

ことに気がついたからです.

  • 今日は根倶損IDの先頭文字が’s’のキャラが全員当たり
  • 今日はLvが偶数のキャラが全員当たり

だって構わないのです.そんな大判振る舞いを根倶損がするとは思えませんが,それは根倶損の運営上の問題で,システムの問題じゃありません.

メイプルストーリーの仕様は,そういう根倶損の運用上の都合で回っているんだということをいつでも最優先に考えなくてはならないのです.チャットで「パチンコ」がNGワードに引っかかるのも,根倶損の運用上の都合でしか無いのです.

さて,ここまで引っ張って来ましたが,上記の実装上の諸々の事情も踏まえた上で囮書理論に正当性があるかというと,

 

ネーヨ

 

という結論になります.強化書については,60%の書,10%の書と,確率を数字で持ち出している以上,数学の確率論に従わなければなりません.60%の書の成功率は常に安定して60%でなければならないのです.というか,数学の確率論に従うつもりもないのに,60%だなんて言ってはいけません.60%と謳っておいて,実際は

  • 魚座の人は全員成功
  • ラッキーカラーを装備していれば全員成功

だったらイカサマでしょ?さすがにそんな可能性を真面目に考えるのは時間の無駄ですわ.

ただし,メイプルストーリーのシステムはバグだらけですから,数学の確率論に従うべきであると言っても,必ずしもそうである保証はありません.でも,少なくとも安定して60%であるように実装上努力しなければならんのです.つまり,囮書理論を裏付けるような実装を根倶損が意図的に行うと考えるのは,深読みし過ぎ,穿ち過ぎです.

例えば銭湯の定休日で言えば,その銭湯がいつ定休日でも理論上何の問題もありませんが,年中無休と謳っている銭湯なら,とりあえず毎日やってるんだろうなと思うわけですよ.盆暮れ正月に臨時休業が入るかもしれませんがね,年中無休って言ってんのに「日曜日だから休みかも?」ってのはちょっとありえない.そんな感じ.

まあ,バグだけはどうにもなりませんけどね.属性杖の属性効果がバグで無効になっていた時期がありましたから.

さて,うんちく語りだすと止まらないので,一旦ここで止めますね.

実装の問題として次の二つの視点を挙げました.

  1. そもそも確率過程を踏んでるとは限らない.
  2. プログラムは決定論的過程であるため,本質的に確率論的過程を再現することはできない.

今回は1番について長々と語りましたので,次回2番を語ります.そのまま完結できるといいなぁ.

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コメント / トラックバック5件 to “囮書・捨て書理論についての続き”

  1. 囮書・捨て書理論について白法さんへの回答 Says:

    […] そして実装論的アプローチ(囮書・捨て書理論についての続き)においても,「確率論に従っても従わなくても,囮書理論は成立しない」という論を組もうと思いました. […]

  2. 白法 Says:

    白法と申します。
    少々疑問に思うところがありましたのでここで質問させて頂きます。

    1.MapleStory Wikiの都市伝説の解説を見て何故「ネクソンの実装を舐めている」と考えられましたか?

    私も該当ページを読みましたが、至極当然のことを書いてあるように感じられました。
    「ネクソンの実装」よりも「一般的なプログラム」としての話ではありましたのでその差異に問題があるということでしょうか。
    または、次の質問にもありますが「確率過程」関係でしょうか。「確率過程」を考慮していない点で「ネクソンの実装を舐めている」と考えられているのであれば一理ありますが。

    2.記事前半において「メイプルストーリは確率過程を踏んでいる」と取れる内容であるにも関わらず結論として「確率過程を踏んでいるとは限らない」となっています。どちらを主張したいのでしょうか?

    1.の質問でも述べましたが、次郎さんは「ネクソンは確率過程を使用して出力を決定している」とみられる内容を書かれています。
    「確率は毎回リセットされる」ことを私は「すべての事象は独立的で確率過程でない確率変数によって出力は決定される」と理解していますが、次郎さんは「確率は毎回リセットされる」ことを仮説であるとしています。これはつまりネクソンは「独立的ではない確率変数」または「確率過程」を利用して出力を決定している可能性があるということでしょうか。これは「確率過程」を利用していることを支持している文であると思います。

    質問は以上です。よろしければご回答ください。
    なお、私は「確率過程」を下記のURLのように理解しています。「確率過程」の言葉自体に齟齬がある可能性があるため念のため貼っておきます。
    ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E7%8E%87%E9%81%8E%E7%A8%8B

    • 次郎宗光 Says:

      白法さん,コメントありがとうございます.
      えっと,白法全書の管理人の白法さんでいらっしゃいますね?
      聖魔を始めたばかりの頃は,毎日通って勉強させていただきました.
      ありがとうございます.

      さて,肝心のご質問ですが,回答が長くなりそうなので,コメント欄ではなく本文への補足(または別記事)の形で対応しようかと考えております.少々お待ちください.

      私も迷い「ながら」考えを整理「しながら」記事を書いておりますので,分かり難いところがあれば,それは私の考えがまとまっていないからです.きちんと内容を読んでいただいての白法さんのような質問をいただけるのは,自分の考えを見直すきっかけにもなりますので,大変嬉しく思っております.

      前向きで実りある意見交換ができますよう,よろしくお願いしたします.

      ご質問の内容とは直接関係しませんが,MapleStory Wikiさんにはいつもお世話になっております.大変優れた攻略サイトの一つであることは間違いありません.

      そのような恩のあるサイトに向かって「舐めているのか」という侮辱的な表現を使用したことについて反省しておる次第です.のちほど本文に訂正を入れます.

  3. snow Says:

    こんな所で私の記事が出てくるとは思いもしませんでしたΣ(゚д゚lll)

    囮書理論ですか・・・なかなか深いですな。
    次回記事に期待します!

    • 次郎宗光 Says:

      スノさん,毎度どうもです^^

      あの記事は,かなり重要な記事だと思うのですよ.
      だって乱数で解決しているように見えることでも,実は乱数ではなくて一定のルールに基づいて解決されていたって話ですから.

      少なくとも私はショックを受けましたw
      でもあの記事(と,馬さんが集めてくれた与ダメデータ)が発端になって色々と考えるようになりましたので,あの記事には感謝しています.


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